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エリザベートにとってエリーは親友であり、自身の美しさの引き立て役でもあり、ターゲットの一人でもある。
「そう言えば、一昨日からアンナの姿が見えないの。昨日、先生たちも授業のあと探し回ったみたいだけど見つからなかったって」
エリーが思い出したように口を開く。
名前の出たアンナ・ルイスは、エリザベートたちのクラスメートだ。
「アンナが? それは心配ね」
驚いたあと、眉を寄せて呟くように言ったエリザベート。
しかし、心のなかではほくそ笑んでいる。
「彼女、学園を抜け出して街まで遊びに行くこともあったようだから、トラブルに巻き込まれたりしていないと良いけど。ほら、最近、街中も物騒でしょ?」
そう言ってエリーは新聞を大きくを開いて見せた。
一面にある記事には【現代に復活した吸血鬼か!? それとも快楽殺人者か?】という見出しで、シリアルキラーの犯行の様子が書かれている。
ここ数ヶ月間、新月の夜だけ現れる連続殺人鬼についてだ。
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