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第3話 『謎の少女』
北島神社の桜の樹の下で出会った、謎の少女の後を追う出雲。謎の少女が向かう先に・・・一体何があるのだろうか?
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オレは謎の少女の正体を突き止めるべく、後を追いかけていた。
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ダッタッダッダッっと走る足音と共に、謎の少女の後をオレはひたすら追っていた。
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-ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ-(走る足音)
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走る度に、オレが祠の洞窟の中で聞こえる走る足音が、まるで走馬灯そうまとうのように響き渡った。
出雲『ま、待ってくれ!君はどこまで行くんだ?!はぁはぁはぁ・・・』
謎の少女『・・・・・・・』
オレは息を切らしながらも、謎の少女を見失わないように必死で後を追いかけた。
そして・・・・ある場所に着くとついに謎の少女が走るのを辞め、立ち止まった。その場所は・・・北島家に伝わる宝刀・『桜花狂乱・千本桜』が祭られている、灯籠とうろうが並ぶ不気味な祭壇だった。謎の少女はついに口を開いた。
謎の少女『・・・はじまりの場所へ・・・ようこそ・・・・』
出雲『はじまりの場所?どういうことだ?君は一体・・・』
謎の少女『・・・自己紹介が遅れたわね。私の名は・・・千雨ちさめ・・・あなたをここへ導く者・・・』
出雲『千雨、か。なら千雨・・・君はオレをここへ導くと言ったが、それはどういう意味なんだ?』
オレは千雨の言った意味が知りたくて、質問をした。すると千雨はこう答えた。
千雨『・・・・・・その意味を知りたいなら・・・宝刀の封印を解けばわかる・・・』
出雲『なんだって?!だが・・・この刀は代々北島家が守り続けてきた宝刀・・・封印を解く訳にもいかないんだ。』
千雨『・・・・そう。まぁ・・・どうするかはあなた次第だし、別にいいけどね』
溜息を吐きながら、千雨はそう答えた。そして続けてこう述べた。
千雨『そうそう・・・あなたに伝えないといけない事があったのを思い出したわ。あなたの幼馴染・・・確か・・・・聖華さんだったかしら?』
出雲『え?!どういうことだ?!聖華に何かあったのか?!』
オレは動揺が隠せず千雨に問い詰めた。だがオレはこの時、千雨に聖華について問い詰めたことをものすごく後悔することになるとは思っていなかった。
千雨『・・・知らない方がいいと思うわよ?まぁ、あなたにウソ言っても仕方ないし、どうせ後でわかることだから教えてあげる。あなたの幼馴染の聖華さんだけど・・・彼女は・・・本当はこの世に存在していないのよ。・・・この意味がわかるかしら?』
出雲『え?!ちょっと待ってくれ!ふざけるな!!なら今までオレと話していた聖華は・・・誰だっていうんだよ!!!』
オレは千雨の胸倉を掴み、怒りをあらわにして取り乱していた。だが千雨の言葉から出るのは・・・幼馴染の存在そのものを否定するものだった。
千雨『・・・現実を受け入れられないのも無理もないわ・・・でも紛れもない事実・・・つまりあなたの幼馴染である、『月島聖華』は・・・死んでるのよ』
出雲『ウソだ・・・父さんや母さんだけではなく・・・聖華までも死んでいただと・・・?!オレは・・・認めないぞ!!まさか・・・千雨・・・あんたが殺したのか?』
怒りの矛先を千雨に向けたが、千雨は動じず淡々と事実だけを述べていく。
千雨『いえ・・・私ではないわ。・・・聖華さんの事とご両親の事はお気の毒だけど・・・それが真実なのよ。そして・・・これから話すことは・・・あなたが知らなくちゃいけない事・・・それをあなたにすべて話すわ。それが・・・北島家の次期当主となった、出雲さん・・・あなたに伝えるわ。真実を伝える・・・私の役目・・・』
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聖華が死んでいた?!謎の少女の千雨から告げられる、聖華の死。そして新たな真実を、彼女の口から告げられる出雲。果たして・・・その真実とはいったい?!
-次回へつづく-
今回のキーワードは・・・『祠の先にある、祭壇に並ぶ不気味なもの』の中に隠しました。さて、あなたはこのキーワードが分かったかな?
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