深夜の怪物

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深夜の怪物

月も星も闇に飲み込まれた夜空の下、1人の若い女が路地を歩いていた。 女は二十歳前半ぐらいで、ウェーブのかかった茶色の髪に、彫りの深い顔に濃いメイクをした派手な雰囲気の美女だった。 服装も大花柄のチェニックにタイトスカート、長身をより際立たせるハイヒールと華やかだ。 夜遊びの帰りか、女は酒に酔っていて足取りがおぼつかない様子だ。 女が突然、歩くのを止めて立ち止まる。 女の視線の先には道の真ん中に立つサラリーマン風の男がいた。 浅黒い顔に禿頭、好色そうな顔をした中年男だった。 「お姉ちゃん、これからどこ行くの?」 男が女に声をかけた。 明らかに下心のあるトーンの声だった。 「どこだっていいでしょ!!」 酔いも味方してか、女が強気な態度で答えた。 男がニヤリと不気味な笑みを浮かべた。 「なあ、おじさんと今から遊ばないか?」 そう言って男が女に近寄る。 「はあ?ふざけないでよ。変な事したら人を呼ぶから」 女は弱みを見せまいと強がったが、近寄ってくる男に恐怖を感じた。 だが、すぐに女は別種の恐怖に襲われることになる。 「グゲッ!!グゴゴゴゴゴッ!!」
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