深夜の怪物

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男が獣のような叫び声を上げ、口から大量の粘液を吐き出したのだ。 女は、その時は男が酔って吐いたのだろうぐらいに思っていた。 だが、その直後、信じられない光景を目の当たりにする。 何と男の体が3倍ほどに膨れ上がり、スーツやシャツが破れたのだ。 あっという間に男は全身緑色の怪物へと変化した。 筋骨隆々の体は3メートルを超えている。 その顔には石を埋め込んだような4つの目があり、まるで拡大した蜘蛛の目のようだった。 そして尖った鷲鼻の下では、分厚い唇の間からノコギリの刃のような牙が覗いていた 「たっぷり弄んでから食らってやる」 怪物が舌なめずりをした。 女は逃げようとしたが足が竦んで動くことができなかった。 怪物の鋭い爪が女のチュニックを引き裂いた。 豊満な乳房を包んだ紫色のブラジャーが露になる。 怪物の舌がカメレオンのように伸びて、女の顔をベロリと舐めた。 女は嫌悪感に顔を歪ませるが、それ以上に今まで恐怖に耐え立っていた足が限界に達し、その場にしゃがみこんでしまう。 「ぬおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」 怪物が雄たけびを上げた。
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