深夜の怪物

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すると、怪物の額がパックリと開き、中から無数の触手が飛び出してきた。  軟体動物のような触手がウネウネと蠢いている。 やがて、粘液にまみれた触手の群が女に襲い掛かる。 「いやあああああああああああッ!!」 女の悲鳴が闇に響く。 ヌルヌルとした生暖かい触手が女の体を撫でまわす。 背中や腹、手足を生暖かい生き物が這いずり回る。 ブラジャーの下の潜り込み乳房を刺激し、パンティの中にまで潜り込む。 そして同時に、拘束具のように女の身動きが取れないように触手が手足に巻き付いた。 「ああっ……はぁんっ!!いや………」 女が熱のこもった息をもらした。 触手に全身の皮膚を擽られる感触に快感を感じていたのだ。 「いやっ……こんなの嘘……悪い夢よ」 女が呟いた。 「グフフッ!!悪いがコイツは現実だ」 怪物が愉快そうに笑った。 「あなた何者なの?」 「俺は元々は普通のサラリーマンだった。だがある時、俺と1つになれば、お前の欲望の赴くままに生きられる、そう声が聞こえてきたんだ。 俺は迷うことなく魔獣の提案を受け入れた。そして、魔獣と1つになった俺は今こうして素晴らしい力を手に入れたのだッ!!」 怪物が叫んだ。 「魔獣って何なの?一体、何がなんだか分からないわ。何で私をこんな目に合わせるの?」 「理由なんてねえ!!目の前にイイ女が通ったら自分のモノにする。魔獣となった俺はオスとしての本能のままに生きられるようになったんだ!信じられないかも知れないが、魔獣とは古来より人間が魔界や地獄と呼んできた異世界から来た怪物だ」 怪物はそう言って女のブラジャーを剥ぎ取り、乳房を掴んだ。 鋭い爪が柔らかな皮膚に食い込み、真っ赤な血が流れ出る。 乳房から流れ出た血は女の体に、赤い蜘蛛の糸のような模様を描いた。 怪物は鋭い爪を女の腹に突き立てた。 「いやああああああああああああッ!!」 激痛のあまり女が獣の鳴き声のような悲鳴を上げた。 「新しい感情も芽生えてきたんだぜ。お前みたいなイイ女を見ると美味そうだなって思うようになったんだ。本当の意味でな、分かるだろ?」 怪物はそう言いながら、爪で腹の中心に切れ目を入れる。 柔らかな皮膚が破れて、真っ赤な血が流れだす。 さらに、傷口に指を突っ込み左右に開いた。 鮮血に染まった内臓が剥き出しになる。 「ごぶっ!!ゲフッ!!やめて、お願いよぉ、死んじゃうわ……」 女の口から真っ赤な血が吐き出された。 怪物は容赦なく腹に手を突っ込み腸の塊を取り出した。 「あははははははっ!!ゲブッ!!ゴッ……こんなの夢だって言ってよ……」 女は自分の腹から内臓が取り出される様を見ながら絶命した。 最後に女が見せた表情は狂気に満ちた笑顔だった。 「美味そうだ……今まで食った、どんな食べ物よりも」 怪物はそう言うと血の滴る腸の塊を貪った。 地面や女の死体の上に、血と残骸が降り注いだ。
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