Seg 00 プロローグ

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 そんなひどい天気の歩道を、(かさ)もささずに歩く人影(ひとかげ)。  ぼんやりと白く、まるで幽霊(ゆうれい)だ。  しかしそれは、やがて白い包みを持った少年となった。  白い包みは、少年が持つにしてはかなり大きい。  時々、重たそうに、しかし大事そうに(かか)えなおしている。  今の天気は、(かれ)の心境からきているのかと思ってしまうくらいに、表情は(しず)んでいた。
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