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人間の想像力は無限の可能性を秘めている。夢や理想の実現へ果てしない力を与えてくれる。しかし人は想像力を自らのものであるにもかかわらず制御することができない。想像力は時に人々を破滅へと導くであろう。
人の想像力は人類進歩の原動力である。映画「2001年宇宙の旅」のワンシーンに描かれている棍棒の発明から始まり夜でも昼のように明るければという人の想像によって発明された電球が発明されるなど、想像力は我々の生活を向上させる原動力である。そして人類は重大な発見をする。物理学者レオ・シラードが核分裂連鎖反応を思いつく。後に各国でその理論は証明され、膨大なエネルギーを生み出すことが判明した。人々は想像した。この理論を応用し発電所を作れば国家のエネルギー問題は解決し電力は無料となる。事実ソ連はプロパガンダでそれを宣伝した。
しかし、そのような夢の想像と並行して、核兵器開発も行われた。まず米国、次にソ連と続々と各国が核爆弾を保有し今ではその数は地球を何回も滅亡させることが出来る。こんな物を作ればいつかは誰かが使い、人類は死滅するかもしれない。簡単に想像出来るのに誰も核を手放そうとはしない。自分達も核を持っていれば相手は報復を恐れて手出ししない。
なんと都合のいい想像であろうか。
人の想像力は偉大ではあるが、都合の悪いことは思考停止して考えようともしない。人類は棍棒から始まり棍棒に終わる。
想像しない葦には丁度いい。
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