第2話 私の飼い主の彼女がビッチすぎるにゃ!①

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第2話 私の飼い主の彼女がビッチすぎるにゃ!①

 一緒に暮らしている伸一(しんいち)君は、イケメンではないが優しい男の子。私はその笑顔も声も、優しく撫でてくれる手も、全部が大好き。 「大好きだよマリー」  毎日、私をお姫様抱っこして、いっぱいキスしてくれる伸一(しんいち)君。私がベットの中で、いろんな所を舐めると、「くすぐったいよ」と恥ずかしそうに悶える伸一(しんいち)君は超可愛い~!。  私の真っ白い毛並みとフサフサの尻尾を、幸せそうに撫でてくれる伸一(しんいち)君。毎日ちゅっちゅされると、『ああ、私、愛されているんだにゃ~』って実感できるの。   大好きすぎて興奮しすぎたみたい。指を舐めてたら、勢い余って(かじ)っちゃったわ。でも、こんな風に伸一(しんいち)君を舐めていいのは私だけ。他の雌には、ひと齧りだってあげないにゃっ!    伸一(しんいち)君に今、一番愛されているのは私!。優しい飼い主と一匹ぐらし、私は二人きりの蜜月生活を満喫している。 ◇◇◇  ところがあの女(・・・)が帰ってきた…  浮気をして出て行った、伸一(しんいち)君の元彼女(もとカノ)が戻ってきたのだ…。 「伸一(しんいち)の部屋、ちっとも変わってないね~」  大きなトランク一つ持ってマンションに来た元彼女は、部屋の中を確認するように見回した。そして、なんと私の目の前で、伸一(しんいち)君に復縁を迫りだしたのだ!?。 「香織、次はないから。今度浮気されたら、俺も許せる自信がない…」  伸一(しんいち)君は困ったような複雑な表情を浮かべる。 「ごめんね伸一(しんいち)…、私やっぱり伸一がいないとダメみたい!」  だが元彼女は話終わるよりも早く、伸一(しんいち)君の唇を塞ぐ。そして瞳をうるうるさせて伸一君に抱き着いたのだ!?。  抱きつかれている伸一(しんいち)君には、角度的に見えないだろう。だが私はバッチリと見てしまった。元彼女の口元が、ニヤリと弧を描くのを…。
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