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第3話 私の飼い主の彼女がビッチすぎるにゃ!②
元彼女と初めて会って日のことは、鮮明に覚えているにゃ!
あの日、伸一君が部屋に、人間の雌を連れてきた。そして、「彼女が初めてできたんだ」と照れながら満面の笑顔で、私に紹介したのだ。
伸一君の彼女は、これまで見たこともないほど綺麗な人間の雌だった。でも彼女からは複数の人間の雄の臭いがして、私は何だが…とても嫌な予感がしたの…。
直ぐに嫌な予感は的中した。伸一君がバイトで忙しくなると、元彼女は『寂しくて我慢できなくて…』と浮気を繰り返したのだ。美しい外見とは違い、性格は最悪だった…。
◇◇◇
そんなわけで、 伸一君がこの元彼女の浮気を許すのは、今日で二度目。復縁はなんとしても阻止しなければならにゃい!
「にゃー!にゃー!にゃー!」
『この女はダメだよ! 気づいて伸一君! もう伸一君が泣くのをみたくないにゃ!』と私は大声で叫んだ。
「どうしたマリー? 腹が減ったのか?」
「にゃうー!にゃうー!にゃう~!? にゃにゃっ!」
私の頭を撫でてくれる伸一君。だがいくら『元サヤはダメ!』と声が枯れるほど叫んでも、伸一君は首を傾げるだけ。一向に気づいてくれない…。
私は悲しくなって耳をペタンとして項垂れた。すると、元彼女が話かけてきた。
「大事な話をしているから、邪魔しないでね猫ちゃん」
元彼女はそう言うと、私をウザそうに睨んだ。
バリッ!、邪魔なのはあんたのほうにゃ~!
「きゃあ!? この猫またストッキング破いた! コレ高かったのに~!」
私は腹が立ったので、ストッキングを破いてやった。すると元彼女はキンキン声で怒りだす。
始めて出会った日からずっと、私はこの女が家に来るたびに、ストッキングを破いてやっている。でも怪我はさせていないわよ、そんなことしたら、伸一君が悲しむからね。
怪我はさせずに、上手にストッキングだけを破く。そうすると、ちょっとだけ溜飲が下がるのだ。
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