3#愛猫との瀬戸際の攻防

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 愛猫ナナが・・・  俺のノートパソコンをじーっと見詰めて、今にもキーボードに乗ろうとしている・・・!!  ・・・ナナ駄目だ!!近寄って来るな・・・!!  今は大事なオンライン会議の真っ最中だ!!  俺はとっさに手を差し伸べて、ナナの行く手を阻んだ。  ペロペロペロペロペロペロ・・・  ナナよ、何で俺の手を舐めるんだ?  くすぐったいじゃないか?  「山城君、他に何か報告はありますか?」  ペロペロペロペロペロペロ・・・  は、はいっ・・・!!  ・・・だ、駄目だ・・・  ・・・ナナの手の舐めるくすぐったさに、顔が・・・顔が・・・にやける・・・歪む・・・!!  わ、私としては・・・  ・・・堪えろ・・・  ・・・堪えろ・・・  ・・・堪えろ・・・  私としては、以上です。  やっと俺の発言は終わった。そのカメラに写っている俺の顔は、終始ひきつったまま会議の間では、どんな思いで見られるんだ・・・は、恥ずかしい!!  ・・・えっ・・・?!  ・・・わっ!!・・・今度はナナが、阻んでる腕を乗り越えようとしている・・・!!  ・・・駄目だ!!ナナ!!俺のパソコンの上に乗るな・・・!!  ・・・頼む!!ナナ!!会議が終わるまで、ここでじっとしていてくれ・・・!!  俺は、腕を上下に動かしてパソコンの上に向かおうとする愛猫ナナをブロックした。  ・・・行くなナナ・・・そっちへ行くなナナ・・・!!  ・・・駄目だ・・・愛猫ナナが気になって、会議に集中出来ない・・・!!  にゃーーん。  ・・・げっ・・・!!  ・・・何故にここで鳴く・・・?!  ・・・会議中に猫の鳴き声は・・・  ・・・この緊張感を揺るがす、猫の鳴き声・・・  ・・・不謹慎だ・・・余りにも不謹慎だ・・・  ・・・落ち着け・・・落ち着け・・・落ち着け・・・落ち着け・・・  しかし、オンライン会議の社長の意見に集中して聞いていた時・・・  ずんっ!!  気を逸らした隙をついて、遂に均等が破られた・・・  俺は目の前の光景に、顔は青ざめた。  愛猫ナナが俺の腕を飛び越えて、悠々と俺のノートパソコンのキーボードの上にどっか!と乗っかり、カメラに鼻を押し付けてクンカクンカと匂いを嗅いでいたのだ!!  俺の一番恐れていた事が起きた・・・  俺はもうおしまいだ・・・  社長、俺の処遇は覚悟してます・・・  さよなら、俺のサラリーマン人生・・・  
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