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 朝食後、鈴木はわくわくどきどきもんで待っていると、「お待たせしました。アマです」と綺麗な声が聞こえて来たので待ってましたとばかりに部屋に入れさせた。  すると、確かに目が覚めるような白皙の美人がこれまた驚くことにビキニ姿で現れたので、こりゃすげえ!やる気満々じゃねえか!高橋の言ってたことは本当だったんだ!と大感激した鈴木は、どんなエロいサービスしてくれるんだろうと想像し、心がワルツに興じるカップルのように躍り続けた。  アマは今時の流行りの顔で目がぱっちりしていて無機質でのっぺりしているが、小顔で肌は白い上に肌理が細かく一点の曇りもなく兎の毛で突いたほどの傷も一切なくスタイルも間然するところなく抜群で目が不自由とは思えない身の熟しぶりである。その上、高橋が言っていた通り手つきがエロいので鈴木は揉まれ摩られている間、無言でその感触を余すところなく味わい、また、彼女が盲目であることを良いことに彼女の美貌を心置きなく観賞しながら勃起し続けたが、そろそろ話したくなって切り出した。 「いやあ、誠に気持ちいい。実に巧みと言うか、全くいい手つきだねえ」 「そうでございますね」 「ハハハ、そうでございますねか。しかし、何だねえ、君はほんとに綺麗だねえ」 「そうでございますね」 「ハハハ、何だよ。また、その答え方は。まあ、素直で結構結構。しかし、普通は謙遜するものでさ、例えば、猫被ってる女にあなたは清楚ですねって褒めてやると、全然そんなことありませんよと謙遜したように言うだろ」 「そうでございますね」 「だけど、実際には清楚じゃなくて、はしたないことを自覚してるから謙遜してる訳ではないんだ。その様に人間は見た目だけじゃわからんもんで真面目の代名詞みたいなNHKの社員にしても不正な仕事をして不当に給料をもらい過ぎているから、そんな者からこのコロナ禍にあって物乞いをしなければいけないような貧しい人に金を回せられないものかな」 「そうでございますね」 「俺なんかでもNHKなんか全然見ないのに高額の受信料を払わせられちゃってさ、NHKの野郎をほくほくさせてんだ。それは兎も角、君はお気の毒にも目が見えないから物乞いは見たことないだろうけど、まだ仕事があるから幸せな方だと思うよ」 「そうでございますね」 「但、君は折角、別嬪さんなのに目が見えないというのは、ま、こんなことを繰り返し言うのは君の心証を害することにもなり兼ねないけど、言わせてもらうと、矢張り気の毒になるよ」 「そうでございますね」 「おいおい、君はそうでございますねしか言えないのかよ」 「そうでございますね」 「な、何なんだよ。君は」 「そうでございますね」 「った、ったく、ふざけてんのか」 「そうでございますね」 「ハハ、も、もうわかった。そっちがその気ならこっちは」と鈴木は言いしな、いきなりアマを強引に抱き寄せた。「どうだ、そんなセクシーな格好してんだし、もう按摩は良いからこの辺で止してな、な、分かってるだろ」 「そうでございますね」 「よし、じゃあ、脱がせるぜ」  アマは全く抵抗しなかった。而もアンとしか喘ぎ声を発しず、おまけに声の調子も音量も一定なので、これはどうも可笑しいとセックスの最中、鈴木は思い、ひょっとしてAIロボット?そうだ、そうに違いないと気づいた時には拍子抜けして、その途端セックスを止めてしまった。すると、アマは切り口上で言った。「ありがとうございました」
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