0人が本棚に入れています
本棚に追加
しゃべる亀
太郎が亀を海へ帰そうとしたとき、
「浦島さん」
「うわあ!」
突然亀がしゃべった!
驚いて尻もちをついた衝撃で、柔らかい砂が舞う。
「どうして邪魔をしたんですか」
「は?」
太郎の思考は追い付いていない。が、亀は話を続けた。
「…美少年達に責められて私は嬉しかったのに」
「えっ?」
美少年と聞こえた気がする。
「助けていただいてありがとうございました」
「あ、はい」
うわぁ。怪しげに笑う亀だ…。
「助けていただいたお礼に、あなたを竜宮城へお連れ致します」
…竜宮城?
『浦島太郎』に出てくる海の城の?
「…大丈夫です。気にしないでください」
「お連れ致します」
妙に主張の強い亀だ…。
「だから気―――」
「お連れ致します。さあ、私の背にお乗りください」
「…」
こうして僕は竜宮城に向かうことになった。
最初のコメントを投稿しよう!