しゃべる亀

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しゃべる亀

太郎が亀を海へ帰そうとしたとき、 「浦島さん」 「うわあ!」 突然亀がしゃべった! 驚いて尻もちをついた衝撃で、柔らかい砂が舞う。 「どうして邪魔をしたんですか」 「は?」 太郎の思考は追い付いていない。が、亀は話を続けた。 「…美少年達に責められて私は嬉しかったのに」 「えっ?」 美少年と聞こえた気がする。 「助けていただいてありがとうございました」 「あ、はい」 うわぁ。怪しげに笑う亀だ…。 「助けていただいたお礼に、あなたを竜宮城へお連れ致します」 …竜宮城? 『浦島太郎』に出てくる海の城の? 「…大丈夫です。気にしないでください」 「お連れ致します」 妙に主張の強い亀だ…。 「だから気―――」 「お連れ致します。さあ、私の背にお乗りください」 「…」 こうして僕は竜宮城に向かうことになった。
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