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Dear
私はオプティミストじゃない。ちょっとしたことで落ち込んだり、些細なことで心配になったり、僅かなことで不安になったり。
だからと言って、ペシミストというわけではないと思うのだけれど、ちょっぴりペシミストなのかな?
そんな半妖みたいな正負の配合率を有する私は、あまり自分から人へコンタクトしようとしない。もちろんコンタクトされた時は嬉しいし、精いっぱい嫌な印象にならないように、いろいろ考えてお返事をする。
そんな半妖ぶりが顕著になるのは、顔の見えないウェブ上だ。その理由はごく簡単で、文だけだと表情が分からないから。どこか身構えてしまう節があり、あまり自分からはコンタクトするに至らない。
仮にやり取りをする時は、どこでメッセージを切れば良いのか分からなかったり、こんな文章じゃ微妙かなとか思ったり、気を遣わせてないだろうかと考えたり……返信一つにハリボテの背水の陣を組むのだ。
例えるなら、ウェブは仮面舞踏会と言える。私は踊っている皆を傍から見て、楽しそうだなぁなんて思うタイプ。自分から踊ろうとはしない。
でも、たまにこんな私でも、優しく手を差し伸べてくれる人がいる。そして不器用な私は、踊り方を分からず迷惑ばかりかけてしまうはずだと考える。結果、二小節程でお辞儀をして身を引いてしまうのだ。そしてまた、華麗な踊りを傍観する席に着く。きっと器用な人は、何度も優雅に踊るのだろう。
でも、そんな一時の踊りであろうと、私にとっては宝物となり胸にしまい込まれていく。そしていつも思うのは、もう少し踊りたかったな……なんてこと。もう一度踊ってくださいとは、自分で言えない。私には少し届かないところに思えて、手を伸ばすことを躊躇ってしまうから。
これは、そうやって手を差し伸べてくれた大切な方の一人へ捧ぐエッセイ。
もしあの方が読んでくれたら、私は凄く嬉しい……でも、それよりもっと大切な意味がある。それは追々、話していくことにしよう。
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