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 今こうして書いて載せているように、私はウェブで小説を公開している。いろいろと小説を書いては、その都度公開して、生きた証を残せればと思い、大賞やコンテストに出してみたり……ちょっとした夢である。うまくクッキーを作ってみて、それが少しでも売れたら嬉しいな、みたいなやつと同じ。  そんな私は、実は自分が書いた以外の活字を読むのはとても苦手。長く続く文字の場合、文字がバラバラに見えてしまうので、何度も何度も読み返さないといけない。  だからウェブにある他の人の作品を拝読する時は、一文字ずつ食べるように一通りのページを何度もしっかりと読む。だから遅い。その後でリアクションをするのだ。  極め付きはリアクションも、どうとればいいのかで悩みまくる。  例えば感想を残そうとする時、何度も自分の文を読み返して、これは変じゃないかなって悩んで、でも考えれば考えるほど変になっていきそうだから、区切りをつけて送ったり、あるいは諦めたり……みたいな。たった一言送るのに、どれだけ下書きしてるんだろう、というときはザラだ。  笑っちゃうくらい不器用だなって、実際自分でも笑っちゃっているわけで……でも、それがわたし。  子供の頃からそうだった。本も漫画も、みんな普通に読んで面白がっていたけど、私は読むのに時間がかかり過ぎるから、やがて読むのは諦めた。そして今も、その不器用は続いているわけだ。  知り合いからは、読めないのに何で書けるの? とか言われる。でも、それはここで関係ないので伏せておくことにしよう。ここはあくまで、あの方がくれた美しさを表する為の言葉で埋め尽くされるべきだから。  話は戻り、そんな私が初めて少しスムーズに読めた作品があった。とある小説投稿サイトの一作品だ。そして、今回このエッセイを捧げる相手が、その作品の作者である。また、この方こそが、後に私へ手を差し伸べてくれた大切な人となる。  その作品はとても切なく、シンデレラのようなもの。甘く切なく儚く、そして可憐な物語だった。いつか枯れると分かっているけれど、もしかしたらまだまだ咲き続けてくれるんじゃないか、綺麗な姿でずっといてくれるんじゃないか……なんて淡い期待を込めて眺める、それは一凛の美しい切り花のようだった。  思い出すと泣けてくるから、エッセイって辛い。いま私は泣いているようだ。鼻水出てくる……。  私は、あの作品を今でも頭にしっかりと記憶している。決して忘れることはないだろう。この先もずっと……忘れない。  というのもつい先日、サイトから作者の方も作品も消失してしまったのだ……それは、あの切ない物語のように。  あの物語の最後では、登場人物の男女が特別な関係を持ち、やがてそれぞれの道を歩むこととなる。最後まで彼女は、彼に与えた良き影響を知ることなく……。  きっと私にとっての彼は、あなたです。とか言ってみたりして……。  それくらい、あのサイトで私に手を差し伸べてくれたあなたには、沢山のことを教わったし、貰った。それは生きることを許すように温もりを与える、麗らかな陽だまりのような優しいものとして、私のちっぽけな心に温度を与えたのだーー
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