1.初デート

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高瀬先輩と付き合うことになって初めての土曜日。 “彼氏”になった高瀬先輩と初デート。 彼氏…デート…。 ダメだ、金曜日ノー残業デーなのにすでに2時間も残業して身も心もボロボロ…なのに、ニヤける。 ひたすら休みなく600枚もの印刷をしてくれるこの無機質なコピー機にすら愛しさを感じてしまう。 それくらい、変だ、私。 でも冷静を装って一日を終わろうとしているし、気が抜けてニヤつくのは今みたいに一人きりで仕事してる時だけ。 誰かがコピー室に来る気配がして、背筋を伸ばして無表情を作り直した。 「おー、嶋岡さん、おつかれーっす」 浅井君にペコッと他人行儀の会釈をした。 「なんか変じゃない?今日の嶋岡さん」 いつも通りのつもりなんだけど。 「…何で?」 「え?だって昼過ぎくらいから落ち着きないからさー、いいことでもあるんだろうなぁ、って」 図星をつかれ膝から崩れそうな気持ちを立て直し、コピー機のボタンを押す浅井君の人差し指をジッと見た。
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