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普段ならあやしいと思って一切無視するけれど、キャラクターがかわいくてついついタップしてしまった。
ぽんっ★
すると新しいタブに、きらきらとカラフルな星のマークが舞った。
それから中央に『オンライン料理教室へようこそ』の文字がでかでかと表示される。
――このページに辿り着いたあなただけにご案内する特別な料理教室です――
オンライン料理教室。その発想はなかった!
「へぇ。材料は自分で用意して、アプリで画面通話しながら手元も移しつつレッスン? これくらいなら気軽でいいかも」
なにせ、包丁の正しい持ち方すら分からない。
自分が恥をかかずに、周りに迷惑をかけずに済むというのはありがたい!
ようやく自分にヒットするものが見つかったぞ。
きちんと見るために、起き上がってベッドの上に座る。
「どれどれ……? モンスター・クッキング・スクール? 材料も一緒に届くコースもあるんだ。これならいちいちスーパーへ行かなくてもいいから助かるかも」
なにせ、ほんの1週間前にも鶏もも肉と鶏むね肉の違いが分からずに母親から怒られた娘とはわたしのことだ。
少しお高くても、安心な方を選びたい。
モンスターっていう響きが仰々しいけど、どんな人でもモンスター級の腕前になれるっていうことかな。
「よしっ、せっかくだし初心者コースだけじゃなくって上級者コースも申し込み、っと」
雀の涙ほどのボーナスで一括払い。
雀の涙ほどでも、ありがとうボーナス! そっと両手を合わせるのだった。
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