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「なるほど……。大手の料理教室だと、契約しちゃえば全国どこでも好きなときに通えるのか。先生を選べたり、メニューを選べたりするのは楽しそう!」  中田由(なかたゆう)、26歳。  実家暮らしのOL。  仲のいい友人たちから結婚式の招待状が届き始めるようになってようやく、自分の女子力が友人たちと比べて低いことを自覚した。  ということで。  今、自分の部屋のベッドの上でごろごろしながらスマホで調べているのは、初心者向けの料理教室だ。 「対して個人の料理教室は、先生の家にお邪魔しての少人数のレッスン。定員は最大2名で、きめ細かい指導が売り。へぇ、どこもきれいなお家。ひゃー。うちなんかと大違いだって言ったらお母さんに怒られそうだな」  ついに一念発起して料理教室に通うことを決意したわたし。  世の中に料理教室が乱立していることも、たった今知ったところである。  美容院かネイルサロンかってくらい種類が多くて、どの料理教室に通うか決めるところで挫けてしまいそうだよー……。 「ん?」  スマホの画面に動く広告が出るといらっとするけれど、突然表示されたのはかわいらしい、羽根のある妖精みたいなキャラクター。  画面の上でくるくる動いていて、『click here♪』と吹き出しがついている。
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