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「僕らは、幸せだよ」 声音を戻して、明は言った。 「真希がいるところへ戻れるんだ。また一緒に暮らせて、話せて、困った時は力になってあげられる。 僕らがもう二度とできないと嘆いていたことが、全部叶えられるんだ。 また間違った選択をしたって、言い合ったって、ショックを受けたっていいじゃないか。 生きていられるなら、真希の側にいられるのなら、僕は何度やり直したっていいよ。 僕は、それ以上の幸せは、ないと思うから」 「明さん…」 妻を見つめ、夫は表情を和ませた。 「真希にどんなに腹を立てても、イライラしても大丈夫。だって君は、誰よりも真希のことを想ってくれる、世界でいちばんのお母さんだから。 君なら必ず、真希のことを認めてあげられるはずだよ」 夫の言葉に胸を打たれ、栄子は指で目頭を押さえた。
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