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年末はいつも雪かきばかりしている。
大学の頃そう言うといつも新潟出身の友人や富山出身の友人に京都の雪なんぞ雪じゃないと言われた。
俺が一歳になる前に父を事故で亡くしたので、それからは母と祖母と三人でアパートで暮らしていた。
アパートは古いが二階建てで一階に祖母、二階の二部屋を俺と母で使っていたから子供の頃から自分の部屋があり、プライベートな空間の確保がされていて、おかげ様で所謂自我の膨張する思春期においても快適だった。
両隣りは老夫婦が二人で住んでいて、向かいにずらりと並んだ民家も老夫婦だらけだったので、自然と雪が降ると俺と母が雪かきをするようになり、小学校高学年ともなればすっかり俺の冬の仕事として定着した。
左隣の佐藤のお婆ちゃんはいつも雪かきをしている俺にヤクルトとオロナミンCと野菜ジュースという身体には大変いいのであろうが、今身体を暖めないであろう魔法の液体をくれた。
いつでも佐藤のお婆ちゃんがくれるのはこれだったので、恐らく冷蔵庫に常備されていたのだろう。
そしてゴールデンウィークとお盆と正月明けに佐藤のお婆ちゃんの娘さんがうなぎパイを持って「いつもありがとうございます」と挨拶に来てくれるので、年に三回くらいうなぎパイが食べられた。
右隣の伊藤のお婆ちゃんはいつも井村屋の冷凍の肉まんを袋ごとくれて「チンして食べい」と言ってくれた。
あとはスーパーで売ってる4個入りのクリーム入ってるワッフルとプチシュー。
いっつもこれをくれた。
寧ろこのワッフルとプチシュー、自分で買ったことないのに食ったことは思い出せないほどあるから、それだけしょっちゅう貰ってたんだろうなと思う。
伊藤のお婆ちゃんは娘さんが岡山にいて、こちらは二か月に一回は泊まりに来ていて、いつも大手饅頭という美味しいお饅頭を持ってきてくれて、これが楽しみだった。
後は娘さんが置いていく青汁を身体にいいからといつもくれた。
まあ食べ物のことはこれくらいでいい。
ちなみに佐藤と伊藤に挟まれた俺の家はに村上という。
そんな村上さんちの一人息子である俺は四年前に結婚し娘も生まれ、嫁と娘と三人で年末実家に帰省し、予定通り雪かきに勤しみながら、過ぎ去った日々に簡易的ではあるが思いを馳せていた。
三歳になる娘は可愛らしいピンク色の水玉模様の長靴を履いて、玄関のすぐ傍の雪の絨毯をこわごわと一歩一歩踏みしめている。
「可愛いよぅ。凛ちゃん。こっち見て、ママの方見て」
嫁は娘の凛を動画に収めるのに忙しい。
「あー、可愛い。凛ちゃん可愛い」
可愛いしか言ってねえな。
こんなに可愛い可愛いって言ってたら自分が世界一可愛いんじゃないかと勘違いした高慢ちきな娘になるんじゃないかとひやひやする。
まあ可愛いのは本当なんだが、こんな風に一日中可愛い可愛い言ってていいものだろうか。
「あー、可愛い。可愛い。パパ、見て。凛ちゃん可愛い」
「あー」
「パパの足跡なぞってる。可愛い」
振り返ると凛は俺のデカい長靴でできた大きな穴に自分の小さな足を入れていて、俺と目が合うとにこりと笑った。
何だそれ、可愛い。
「あー、可愛い。凛ちゃん可愛すぎ」
凛は真新しい誰も踏み荒らしていない真っ白な世界に自分で穴を開けていくより俺の作った大きな可愛くもない穴ぼこに足を入れていくことに楽しみを見出してしまったらしい。
ふとこの光景を俺はどこかで見たことがあると思った。
こんな風に大きな足跡をいつかなぞっていた子供がいた。
「なあ、ママ」
嫁が凛が生まれてから名前じゃなくてママって呼んで、ママ呼びがいいと言うので、俺は嫁のことはママと呼んでいる。
最初は恥ずかしかったが、いつの間にか慣れた。
まあ嫁の名前は奈々だったので、奈々もママも考えたらそう大差ない。
「何、パパ?」
「これどっかで見たやつってなんだっけ?」
「デジャブじゃないの?」
「それだと初めて見たはずなのに前に見た気がするってあれじゃねえの?」
「うん?そうだっけ?」
「何かこれ見たことある気がすんだよな」
「どれが?」
「凛のそれ、俺の足跡に足突っ込んでるの」
「安全だからじゃないの。パパが踏んだとこだから」
「何か俺もやった気がすんだけど」
「パパが?ちっさい頃?」
「おお」
「そういえばパパはちっさい頃からおっきかったの?」
「小六で百七十五あったな」
「じゃあ小六から十二センチしか伸びなかったってこと?」
「そうなるな、多分高一で止まった」
「それだけ大きくなったら充分でしょ。私に五センチ分けてほしいよ。凛ちゃんどっちに似るかな?うちの家系大きい人いないよ。お父さんもお兄ちゃんもちっさいし」
「うちは父親はそうでもないけど、母親はデカいな」
「そうだね。お義母さんスラっとしてるもんね。凛ちゃんはパパの血を受け継いで、身長百七十センチのモデル体型美人になって欲しいな」
「顔お前そっくりだろ。安定の丸顔」
「私だって子供の頃は可愛かったんだからね。少なくとも小二までは可愛かった」
「何で小二?」
「小三にもなると最早小さいだけで可愛いの時代が終わっちゃうんだよ」
「俺はもう小学校入った時点で同級生より頭一つ分以上デカかったからずっと可愛くなかったな」
「えー、そんなことないよ。しんちゃん、あー、パパはずっとシュッとしててかっこいいよ」
「あー、それより、あれだよ。このどっかで見た、嫌、やったことあるこれって、何処の記憶なんだろ」
「前世?」
「嫌違う、あー、でも確かにした様な気がする。でっかい足跡をなぞって歩いた」
「そりゃそういうこともあるんじゃないの。雪降ったら。すぽっといっちゃうでしょ。だから人の足跡ついてるとこ歩いたんじゃないの?」
「嫌、でっかかったんだよ。俺が小さかったのなんて多分凛くらいの時期だけだったんだよな。俺すぐでっかくなっちゃったから、人の足跡見てでっかいなんて思わなかったもん」
「パパがでっかいと思ったなら、よっぽどの巨人かな」
「俺の周り巨人なんていなかったぞ。このへんジイサンバアサンしかいねえし」
「場所はこのアパートの前なの?」
「あー、多分」
そうだ、今の凛と同じだ。
でっかい足跡を見つけて、燥いでその足跡をなぞった。
自分とはまるでサイズの違う足跡、自分など覆い尽くせるであろうその穴は不思議な世界へ続いている様にワクワクさせた。
何で思い出したんだろう。
この光景がそれをさせたのは間違いないが。
凛は飽きもせず俺の足跡に足を突っ込む。
かつて俺もしたであろうその行動。
そして俺の思い出せない足跡。
「二人とも中入れ。寒いだろ」
「うん。じゃあ凛ちゃん入ろ」
凛は嫁の呼びかけも首をいやいやと振り、俺の作った穴ぼこに懸命に足を踏み入れるのに忙しい。
俺もかつてそうだったのだろう。
誰の足跡かは謎だが。
「ママ、砂糖、砂糖入れて」
「お砂糖ばっかりだと甘いだけにならない?」
「醤油も入れるからいいの。兎に角佐藤と醤油ぶっこんどいたらすき焼きはいいの。凛、ご飯ばかり食ってないで、肉も食べろ」
凛はすき焼きの肉には目もくれず、可愛らしいキティちゃんのお茶碗に大盛りに盛られた白米ばかり食べている。
奈々が皿にぽいぽい盛っていく肉や白菜やネギなどには申し訳程度の興味すら示さない。
「せっかくの牛肉だぞ。凛食っとけよ。美味いぞ」
「凛ちゃん。ちょっとご飯から離れよ」
凛はフルフルと首を振る。
やー、とも言わんらしい。
「いいじゃないの。ご飯美味しいんでしょ。ねー、凛ちゃん」
「母さんも、あ、祖母ちゃん、ビールばっか飲んでないで肉食えって。一キロ買ったんだから」
「買いすぎじゃないの?あんた、そんなに食べれる?」
「俺は食うよ。ママも白菜ばっか食ってねえで、肉食えって」
「食べてるよ。お砂糖もっと入れる?」
「醤油も。甘さまだ足りねえ」
「凛ちゃん。お肉」
奈々が凛の食べている白米の上に肉を乗せる。
そうか、牛丼にしてやればいいのか。
「母さん、あのさ、小さい頃さ、雪降って、俺がでっかい足跡に足突っ込んでたの憶えてない?」
「でっかい足跡?」
「そう、多分大男の」
「大男?」
「家の近所にいなかった?」
「いないでしょ。近所に若い男の人なんていなかったじゃない」
「だよな。いないよな。じゃああの足跡なんだったんだろなって」
「話見えないけど、何?」
「だーかーらー、俺が多分凛くらいの頃、雪が積もって、でっかい足跡があって、俺がその足跡に足突っ込んでたの、でもさ、家の近所にそんな大男いなかったよなって」
「あの人じゃないの?」
すき焼き1ビール9の割合の祖母ちゃんがポツリと言った。
「あの人?」
「あー、そうかもね。あの人、お祖母ちゃんの別れた旦那さん」
「そんなのいんの?初めて知ったけど」
「あんたね、祖母ちゃんがいるんなら祖父ちゃんもいるに決まってるでしょ。
広島にお祖父ちゃんお祖母ちゃんいるじゃない」
亡くなった父方の祖父が広島にはいる。
二十五で亡くなった息子の忘れ形見たる俺はこの祖父に大層かわいがられた。
中学でお盆と正月三が日以外休みなしのスパルタ陸上部に入部するまでは毎年夏休みと冬休みと春休みは広島の祖父の家で一週間ほど過ごし、やれ寿司だ肉だ、中華だと美味いものをたらふく食わしてもらい、春と夏は野球場にも連れて行き、帰りに必ずもみじ饅頭を持たせてくれた。
そうだ、広島の祖父が一人で頑張りすぎていたおかげでもう一人の祖父の存在を失念していた。
最初からいなかったからいるなど考えたこともなかった。
そうか、俺にはもう一人祖父がいたのか。
「あんたがちっさい頃さ、ゆずと白菜とネギと大根をさ、段ボールいっぱい持ってきたのよ。その時じゃないの。確か年末だったもん」
「そうだったね。あの人が雪降った時来たのあの時だけでしょ」
「お母さんが、冬至過ぎたけどって言ったからじゃないの?」
「だって、いきなり野菜持って現れたのよ。別れてから一度も会ってなかったのに」
「ねー、ホントどういうセンスしてるんだか。あ、信也言っとくけど、お父さんは違うからね。本当に亡くなってるからね。あの写真のハンサムさんは本当にあんたのお父さんだからね。あの人は本当に素敵な人だったんだから」
亡くなった父のことを母は兎に角褒め倒す。
これでもかと、いつもいつも。
「信二さんは本当に初めて会った時からハンサムでね、あんたはお母さんのしょぼくれた遺伝子が入っちゃったせいで、あの人よりちょっと見劣りするイケメンになっちゃったけど、信二さんの遺伝子が入ってなかったら、もっとしょぼくなってたんだからね、感謝するように」
「はいはい。ママ、凛にばっかやってないで、お前も食べろ」
「食べてるよ。でも凛ちゃんすき焼き丼気に入ったみたい。困るな。牛肉の美味しさに目覚めちゃったら」
「家帰ったら豚しか食えないから安心しろ」
「凛ちゃんおかわりだって、やっぱりご飯がすきなんだねぇ」
娘は得意げに笑って見せた。
祖母ちゃんはやっとすき焼きに本気を出す。
「で、その爺ちゃんの足跡だったの?」
「多分ね。爺ちゃん身長百九十あったから」
「そんなないでしょ。お母さん盛りすぎ。せいぜい百八十でしょ」
「足はデカかったよ。確か二十九センチあったもん」
「今どうしてんの?」
「毎年冬至の前に来るようになったわよ。野菜持って。今食べてる白菜もネギもそうよ」
「毎年来てたの?」
「そうよ。ほら、年末にカルピスとかあったでしょ。あれくれたの爺ちゃんよ」
「何で言わなかったん?」
「聞かれなかったし」
「野菜しょっちゅう貰ってたから、てっきりお向かいの爺ちゃんがくれたんかと思ってた」
「田村さんのお爺ちゃんもしょっちゅうくれたけど、あんな段ボールいっぱいにはくれないわよ。爺ちゃんさ、カルピスだけじゃなくってさ、ココアとか、コーヒーとかも持ってきてさ、こっちでも買えるわよっていっつもお母さん文句言ってたわ」
「だって買えるじゃない。ビールとか焼酎とかくれたらいいのに。本当に気が利かないのよ。あと一回すっごい不味いお饅頭くれてさ、あんこの味がさ薄いのよ。あんなのどこで買ったんだろうって。あれは憶えてるわ」
「あー、あれね、あれは不味かった。不味いお饅頭初めて食べたもん。信也、憶えてない?多分小学校入ってからだったと思うんだけど」
「憶えてる、水みてえなあんこ。二度と食べたくねえって思ったやつ」
「でも何とか皆で食べたわね。懐かしいわ」
凛は一抜けたとばかりにごくごくと麦茶を飲み奈々の膝に乗りあげ紅白を見ている。
もう食べない気だ。
「ママ。もっと食え」
「はーい」
足跡の謎は解けたが何か釈然としない。
「今年も来た?」
「来たわよ。讃岐うどんくれたから持って帰って」
「ああ」
「何か納得できないって顔してる、何?」
「うーん。何か変な人だと思って」
「そりゃ変な人よ。別れてから一度も会ったことなかったのに、いきなり野菜持ってくる人だよ。変に決まってるでしょ」
「顔は悪くなかったよ」
「どこがよ。貧相な爺さんよ。背ばかり高くて目が飛び出てて、眼鏡かけててね、タヌキが人間になったみたいな顔してたわ」
「目はぱっちりしてたよ。まあ変な人なことは確かだけど」
「畑やってるんだ」
「やってたね」
「何で別れたん?」
「色々あったけど、まあ姑さんとお祖母ちゃんが上手くいかなかったからかな、まあその他にも色々」
「ふーん」
「信也、あんた肉しか食べてないじゃない。野菜も食べなさい」
「いいんだよ。キロ買ったんだから」
すき焼きを食ってだらだらと紅白を見ながら祖母と母は酒を飲み、酒を飲まない俺と奈々は贅沢にハーゲンダッツを食べ、ゆく年くる年を見て、お休みと言いそれぞれの部屋に散っていった。
凛はとっくに夢の世界だ。
「しんちゃん、眠れないの?」
「まあモヤモヤしてるな」
「お祖父ちゃん?」
「ああ」
「具体的にどうしたいの?」
「どうもしたくないけど、変だなって」
「年に一度お野菜を持ってきてくれるお祖父さんが?」
「それだな。年に一度だけやって来て、野菜を置いていき、孫の顔も見ないで帰るでっかいお爺さん」
「でっかいお祖父さんて」
嫁が笑う。
その慣れた声に安心する。
「まあでも別に会わなくてもいいかな。会ってもいいけど」
「聞かなきゃよかった?」
「嫌、別に。そうでもない。まあ不思議だなと思うけど」
「不思議?」
「今日凛が俺の足跡なぞってただろ。あれがなかったら多分俺は子供の時見たあのでっかい足跡を思い出しもしなかったんだろうなって」
「まあそうだろうね」
「足跡は憶えてなかったんだけど、年末になると鍋とおでんを交互に食べてたことも、冬至が終わってからもずっとゆず風呂に入ってたことも、正月になると濃いカルピス飲んでたことも憶えてるんだよな。毎年そうだったから。貰った食い物って何故か憶えてるんだよな。不味いものも美味いものも」
「確かに憶えてるね。私も結婚するまで二人で行ったコンビニのレシートとかスーパーのレシート捨てられなかったなぁ。二人でファミチキ買ったなとか、この日二人でキムチ鍋したんだなとか思い出してにやにやしてた」
「ちょっと違うくない?」
「そうかな。一緒じゃない」
「凛もさ、今日のことなんていつか忘れるんだよ」
「感傷的だねぇ、パパは、抱っこしてあげようか?」
「今日はいい」
俺は実家に帰省した夜はどうにもこうにも寂しくなる。
凛が生まれてからは特にそうだ。
あの写真の若い父、俺のお食い初めの大きな焼鯛の前で嬉しそうに写っている屈託のない二十五歳の男。
この数週間後彼は突然この世を去るのだ。
余りの理不尽さに時々愕然とする。
暖かい部屋で皆で紅白を見ながらすき焼きを食っていると、何故ここに父がいないのだろうと思う。
無邪気に笑う凛を見ると、父に見せたかったと思う。
凛を抱かせたかった。
きっと喜んでくれたのだろう。
母はいつも父の話をすると言ったものだ。
信二さんはね、いつも言ってくれたのよ。
君はかっこいい女の子だねって、お母さんそれがすごく嬉しかったのって。
「俺の父親二十五で死んでるだろ。だから今年俺二十六になれた時すっげぇ嬉しかったんだよ。俺の父親はさ、俺のお食い初めまでしか写真ないんだよな。俺は七五三もあるぞって」
「七五三どころか、成人式、結婚式まで頑張ろうよ。そいで、二人で金婚式に北海道行くの」
「いいな、それ。六花の森行きたいし、美味い海鮮丼とか食いたい。まあ凛見てお前も年取ったなってくらい生きていたいけど、人間いつどうなるかわかんないし」
「それは誰だってそうだよ」
「事故じゃしゃあないよな」
「しゃあないよ」
「凛に美味いもの食わしてやんないとな」
「そうだね。美味しいものいっぱい食べようね、そろそろお刺身もデビューかな?」
「ああ、まあ慎重にな、ちょっと保留。青魚とか怖えんだろ?」
「そうだね。ねえ、明日は雪止むかな?」
「どうだろな」
子供時代から今まで食い物に飢えたことがなかった。
野菜が台所にごろごろしてるのはしょっちゅうだった。
あの野菜の中に俺の顔も知らない祖父さんの作ったものがあり、俺の成長に一役かっていたのだ。
先のことはわからないが、俺は多分祖父さんに会わないだろう。
もう足跡を忘れることはないが、それは酷くぼんやりとしたもので、鮮やかなゆずの色とは対照的だ。
俺にとっていつかの足跡になったように、凛にとってもそうなる。
雪はまだ降り続いている。
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