足あと

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「こんにちは。あなたは何をしてるんですか?」 近づくと足跡の主は自分と同じくらいの年齢の様で中性的なきれいな顔をしていた。額に汗をにじませながら肩の上できれいに切りそろえられた髪を耳にかける仕草はとても魅力的に見えた。 「僕植物の研究してて、今日は土壌の事を調べてるんです。」 目の前にいる美しい人が男だった事を少し残念に思ったが、それよりも昆虫と植物で専門は違えど同じ山で研究する仲間がいる事に興奮した。 「俺は昆虫の研究してて、植物の話聞かせてください!」 「ぜひ!近くに小さな川があるのでそこでお話しませんか?」 「はぁ〜。疲れた足に冷たい水って最高。」 感じた事をそのまま口にした台詞に思わず笑ってしまう。 「あ、ごめんなさい。今の台詞温泉に入ったおじさんみたいだなって笑お兄さんきれいだから意外で。」 「ひどいなぁ。きっと僕同い年くらいなのに。」 話している内に分かったことは彼の名前がリュウということと俺とリュウとの共通点は年と理系の研究をしていることぐらいでそれ以外は見た目も中身も全然違うことだった。 だけど互いの研究の話をしていると自分の今まで調べてきた事と彼の話が線で繋がれていくようで共通点が増えていく様な気がして心地よかった。
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