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「ただいま。」
「父さんおかえり。」
「どうだ?研究は進んでるか?」
「うん。何とか最後まで書ききれそうかな。ちょっと内容が薄い所に周りの環境の事書き足してみた。」
父も理系出身で山の楽しさを教えてくれたのも父だ。専攻は化学系なので論文の詳しい内容までは理解してくれないが書き方や客観的に見た時のアドバイスをくれるのでとてもよい理解者だ。
「また難しい話してるねぇ。でも最近楽しそうでお母さんも嬉しい。彼女でもできたかな?」
「お、いいじゃないか。どんな子だ?」
母さんは研究の話をしていてもすぐに彼女だとかの話をしてくる。いつもは受け流すのだが今日は父さんまで話に乗ってしまった。
彼女など久しくおらず話す事もないためしょうがなくリュウの事を話すことにした。
「彼女はいないけど最近山で男の人と友達になったんだ。リュウって言うんだけど同い年で植物の研究してて。」
彼女ではなく友だちの話をしたから深く聞かれることも無く次の話題に移るかななんて考えながらふたりの顔を見るとなんだか神妙な顔をしていた。
「…その、リュウくんていう子はどんな子なの?」
「髪は金髪で顔もすごい綺麗」
「身長はお前と同じくらいかすこし小柄か。」
「…そうだけど。なんで?」
いまいち微妙な空気の訳が掴めないでいると父さんが話しだした。
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