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「俺が探すなら、硝子の靴の大切な理由を聞く権利ぐらいあるんじゃないか?」
翼少年が詰め寄ると、ニーは渋々話し始めた。
「父が先日の誕生日プレゼントにくれた、特別な靴なんです。無くしてからずっと家出してるから、多分心配してるけど、見付かるまで帰りたくないんです。湖に潜って探してみたけど、どうしても見付かりません」
そう言うとまた涙を流した。
翼少年から見てもまだまだ子供のニーは、確かにずる賢い面もあるが、父親が溺愛しているのも解る気がした。
「よし、俺が探すのを手伝うって条件なら飲むよ」
翼少年の明るい声に、ニーは素直に喜んだ。
二人は湖へ飛び、ニーは落とした辺りを旋回して見せて手分けして探す事にした。
翼少年は潜る際防寒として断熱のオーラを纏い、ニーはシュルシュルと透明な巻物を身にくるませて、それぞれ別の箇所へ入水した。
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