These05.

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__________________ _______ 【枡川さん いつもお世話になっております。××の保城です。 運営委員会で作成していますリーフレットの第2弾が無事に完成しました。 ぜひ、枡川さんにも読んでいただきたいです。 終業後、直接お渡しに行ってもよろしいでしょうか。 その後、よければ飲みにでも。】 朝、出勤してすぐに消耗品の発注データを確認した私は、そのまま彼女へのメールを作成した。 営業をしている枡川さんは、きっと現場に出かけることも多いだろうし、先に予定を聞くべきだという当然の考えからの行動だった。 それを送信してすぐ、パソコンの画面右下にメール受信のバナーがひょこっと表示された。 錯覚だとは思うけど、いつも勢いのある彼女からの通知は、通常よりスピードがある気さえしてしまう。 「……返信、はや。」 【保城さん お世話になっております。 ご連絡ありがとうございます。 リーフレットの完成、今回もとても楽しみにしていました。 もうすぐ出来上がると風の噂で聞いてはいたのですが、それ以降、頑なに情報を流してもらえず… 御足労いただくのはとても申し訳ないのですが、 いつもの居酒屋で、保城さんとお酒を飲みたいです。】 頑なに情報が枡川さんに流れないのは、瀬尾さんが私との約束を守ってくれている証拠だ。 まだ朝9時なのに、文末で「お酒が飲みたい」と来ていて思わず表情が緩む。 その後、メールを往復する中で、今から現場を回って午後は社内に戻ってくると教えてくれた。 あまりにトントン拍子で決定してしまった、今日の飲み会の予定に若干戸惑うけど、 「楽しみです、仕事頑張ります!!」 とやはり直球の返信が来ていてふ、と自然に笑みが漏れた。
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