These05.

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あの男が、 何気なく投げてくる言葉がいつも怖かった。 だって認めたりしたら。 曝け出せばその分、否定された時の痛みが大きい。 "…え!?紬って俺のこと好きなの?惜しいなあ。" 昔、かけられた言葉に あの頃の私は、容易く傷ついた。 そして深く心に刻まれた。 女の子は、 ちゃんと努力しなきゃ受け止めてもらえない。 素の私じゃ、好きになってもらえない。 いつかまた好きな人ができたら、 今度は"惜しい"だなんて言われない自分で居たい。 ずっとそう、思ってきた。 _____でも、本当はね。 あのヘタレの2人みたいに、 真正面からの恋をしてみたかった。 "あんたが生ビールとサキイカで喜んでるとこ、あんまり他に知られたく無い。" "……な、んで…?" "勿体ないから。" 惜しい、じゃなくて 勿体ない、なんて。 あんな風に言ってくれる人には、 私はもう二度と、出会えない気がするの。
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