These05.

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今日は居酒屋にいる時からとっくに泣きっぱなしで、 精一杯の力で走ったことも相まって 頭が割れるような痛みを中から発し続けている。 涙を溢すのと拭うのを繰り返した顔はぐちゃぐちゃで、化粧もきっと殆ど残っていないし、コンディションとしては最低最悪を確実に記録しているけど。 ___この男の前では、 そういう自分でも、もう良いって思うから。 「私、梓雪の前では、ぜんぶ、見せたい……っ、 本当の私は、 干物だしおっさんだし、部屋も綺麗じゃ無いし、 全然うまく笑えなくて面倒かも、しれないけど、 梓雪の前では、ビールもサキイカも、 もう絶対隠したりしたく無い…っ、」 しゃっくりと共に泣きじゃくった声は、 まるで子どもみたいだった。 告げた言葉も、何だか脈略の無い単語ばかり並べてしまった気がする。 だけど。 その恥ずかしさより先に、 この男に向かう気持ちを止められない。 こんなに誰かに 自分から手を伸ばしたことは、無かった。 "自分が好きなものを一緒に飲める人も、 飲みたいと思える人も、全部。 ___自分を曝け出したいって思う瞬間は、 紬のタイミングで、これからいつでも、ゆっくり決めれば良い。" あんなに嬉しい言葉、無かったの。
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