番外編1

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______________ _______ 「……は、」 息が上がりすぎない程度のジョギングを経て、再び紬のマンション前まで帰ってきた。 肩を大きく一度だけ上下させながら空気を吐き出して、顔を上げた時。 目を細めてしまいたくなるほどに、 優しくて、透き通った眩しい朝日と対峙した。 走ることへの自分の気持ちが、 突然分からなくなった。 好きだと言えない戸惑いの末に、距離を置いた。 バイトをして生活をする中で 夜の暗さにどんどん目が慣れていく。 中途半端な自分のことは、 自分が1番分かっていたつもりだった。 だから。 『……中途半端なんて、言わないで。』 『梓雪は、またもう一回、 立ち上がるための休息してただけでしょ…?』 あの言葉は多分、一生忘れないと思う。 毎日、何に対しても 揺るがない気持ちの中には身を置けない。 全然今でもあの頃を思い出せばしんどい時もあって、逃げたくなるし。 そのくせにやっぱり、また始めてみたくなる。   俺は結局、面倒な人間だ。 『……やっぱり梓雪は面倒。』 だけど、そう認めて笑ってくれる子が居るから。 _____多分どんなに走っても、 もう、息がし辛くは無い。
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