9人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「えーと、男性の方は、虚偽のプロフィールを載せていたというお話でしたが、事実でしょうか?」
「まあ……、はい」
「困ります。ちゃんと書いていただかないと」
「分かってます。すいません」
「今回、お相手の方がお知り合いだったから分かったものの……。あなたのプロフィールは、サイトから削除させていただきますよ」
「はい。……本当にすいません」
平謝りする貴司を見ていると、こちらまで情けなくなってくる。
「松下様も、大変失礼いたしました。こちらも、厳しく精査すべきでした」
「ああ、いえ……」
「まだご紹介できる方はいらっしゃいますので、またご利用ください」
「はい」
そう返事をすると、仲介の女性との回線が切れた。画面には、サイトのホームページが映し出される。
その直後、私の携帯が着信音を鳴らした。表示された番号に見覚えがある。
「もしもし」
「あ……、明美?」
「なに?」
「あのさ、俺、考え方改めるから……」
「えっ?」
「俺、ちゃんとした男になるから。だから……」
「?」
「もう一回、やり直してくれない?」
オンラインお見合いでまさかの再会を果たした私達だったが、これを機に寄りが戻る………かな?
───おしまい
最初のコメントを投稿しよう!