1292人が本棚に入れています
本棚に追加
「次は小春ちゃんと政宗くんの番だね」
「えっ?」
「実里、お前っ、しー!」
あっと実里は口元を押さえる。
『小春と政宗はまだ両片想いなんだからっ』
『そうだった、ごめんっ!』
優也と実里がコソコソと話しているのを訝しげに見ていた小春は、政宗に視線を向ける。
「政宗くん結婚するの?」
「え?」
「えっ?!」
「えっ?!」
政宗、優也、実里の声がハモる。
「いや、小春、今の話でどうしてそうなるんだよ」
「そうよ、小春ちゃん」
あたふたする優也と実里は政宗をキッと睨み、その勢いに政宗は一歩後退った。
「政宗、お前のせいだ。お前がなんとかしろ。良い機会だから言っておくが、俺はもう実里しか見えない。実里ラブだ。だから小春のことはお前に託した。わかったな!」
「は?え?なに?」
優也はバンバンと力強く政宗の肩を叩き、政宗は優也の言葉の意味を理解するのに頭を悩ませる。その隙に、実里は小春にそっと耳打ちした。
「小春ちゃんはもっと積極的になっていいと思うな。頑張って政宗くんのこと射止めてね」
「へっ?!」
ぼぼっと頬を染める小春を微笑ましさ半分、呆れ半分見つめつつ、優也はボソッと呟いた。
「はぁー、政宗、お前もだよ」
最初のコメントを投稿しよう!