水仙の枯れる

糸田

小児性愛者

103号室　主婦　41歳
「糸田さん？　ああ、最近引っ越してきた若い方よね。普段話すことはないですけれど……最初に挨拶に来てくださったときは、なんて礼儀正しい子でしょうって思ったわ。いつも愛想良く挨拶してくれて……ええ、掃除とかもやってくれてるのを見かけますよ。本当に助かります。この辺は子どもばっかりで、貴重な男手ですもの、頼りにしています。でも……そうねえ、少し気になるのはどんなお仕事してるのかしら、ってところよね。仕事に出かける姿を見ないものですから、普段何をやってらっしゃるのかなと……。あ、いえ！　きっと何か事情があるのよね！　いやだわ私ったら。聞かなかったことにしてください」

105号室　会社員　36歳
「先月上の階に引っ越してきた方ですよね。このアパートに独身の男の人が一人で引っ越してくるなんて珍しいと思いましたよ。小学校が近くて毎日騒がしいので、あんまり独身の方は住みたがらないんですよ。まあその分家賃は安いので、おそらくそれが理由なんじゃないかと思いますけど……。ええ、糸田さんご本人は本当にしっかりした方で。在宅のお仕事なんでしょうかね、家にいることが多いみたいで、町内会のこととか率先して引き受けてくれますよ。みんなが嫌がる仕事も嫌な顔せずやってくれるので、つい甘えてしまうんですが……俺も見習わなきゃなと思います」

204号室　学生　13歳
「格好良いよね、あの人！　先月隣に引っ越してきた人なんだけど、とっても優しいのよ！　弟もあの人に懐いてて……え？　弟は小学校に上がったばかりです。子どもたちが遊んでるのを見守っててくれるんです。あたしもたまに一緒になってかくれんぼとかしますよ。面倒見のいい人って素敵よね。顔もいいし性格もいいし、きっと恋人とかいらっしゃるんだろうな……。あたしなんてまだまだ子どもだし、絶対相手にしてくれないってわかってるけど、いつか気持ちを伝えられたらいいな……って、今のなし！　恥ずかしいから忘れてください！　それにしても、なんで糸田さんのこと調べてるんですか？」