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「悪い、サカり過ぎた」
「ほんとだよ京ちゃん。俺の声ガッサガサ」
結局連続で二回戦。京ちゃんの体力はまだ余裕がありそうだったけど、俺はさすがに音を上げた。
お互いシャワーを浴びて、今はまったり布団の中。
「京ちゃん腕枕して♡」
「うぜぇ、それ言う女は二度と寝ないって決めてんだ」
京ちゃんはピシャリとそう言い捨てたくせに、なんだかんだ俺の首の後ろに腕を突っ込んで頭の下へ持ってった。
「なんで俺よりでかい男を腕枕すんだか…」
「それもそうか。じゃあ俺がやってあげる」
俺は頭の下の京ちゃんの腕をひょいと持ち上げて布団にしまうと、今度は自分の腕を京ちゃんの頭の下に差し出した。
痛くはない。ずっしりとした重さに安心する。
「どうよ」
京ちゃんの方へ首を回せば、ちょっと照れているのか口元を固く結んだ京ちゃんと目が合った。
「…案外悪くない、けど。なんだよ、そんなじっと見るんじゃねぇ」
京ちゃんはふいっと寝返りを打つ。俺は嬉しくなって、その背中に後ろから抱きついた。
「ねぇ京ちゃん、俺をセフレにしてよ」
「やだよ」
「腕枕頼んだから?」
「違ぇ、そういうのは分けたいって…」
「でも年齢を偽らなかったら、学校外でなんてあんまり出会いなくない?」
柔らかい茶色の猫毛にちゅっちゅと口付ける。
俺の家のシャンプーの匂いがして、思わず頬が緩む。
「……飽きたらやめる」
京ちゃんの素直じゃない承諾に、俺はぎゅーっと腕の力を強めた。
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