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数十分後、俺は京ちゃんによってめちゃくちゃに喘がされていた。俺のせいじゃない。京ちゃんが本当、上手すぎるんだ。そう思ってないと俺の男としての矜持が崩れ落ちてしまう。
「ぁああ、けーちゃん、むりっ」
「随分可愛いじゃねぇか、中村」
「そこ、ちがうって、…けぇちゃ」
俺の後孔は既に、三本の指を飲み込んでいた。前はもう触られていないのに、膝がガクガク震えるほどの快楽。京ちゃんはいいところをわざと避けるようにして、焦らすように緩慢に指を動かしていた。
「もっと、奥の」
「ここだろ」
ひゃん、と自分のものとは絶対に信じたくない声が飛び出す。
「…あは、そろそろいいだろ。挿れて」
「うん、欲しい…」
何を言ってんだ俺、という冷静な理性もほんの一欠片のみで、はやく気持ち良くして欲しいとかイかせて欲しいとか淫らな欲求ばかりが頭の中をぐるぐるしていた。
「うー…京ちゃん、でけぇ」
可愛い顔してるくせに、なんて凶悪なものがついてんだ。下手したら俺よりもでかいかもしれない。
「でかい方が気持ちいい、だろ」
京ちゃんは奥まで挿れるとさっそく腰を揺らす。
「んぅ、きもち、きもちいっ」
「ぅあー、かわい」
京ちゃんの方がよっぽど可愛いのに、そんな恍惚とした表情で言われるから恥ずかしくて仕方がない。
そもそも京ちゃんはお世辞が嫌いで、女子の容姿を褒めるのも見たことがない。そりゃあ京ちゃんからしてみれば、自分より顔がいい人なんて滅多に見つけられないんだろうけど。
服を脱いだ京ちゃんは腹筋がバキバキなのは体育の着替えで見ているから知ってたけど、それにしたって俺相手に欲情してる獣みたいにギラついた目も、乱暴に拭う額の汗も、何もかも男らしくて…
「かっこいい、けいちゃん」
「あんた、ほんとっ」
一層腰の動かし方が激しくなって、俺の口からはあられもない喘ぎ声しか出てこなくなった。
京ちゃんの顔の方に必死で手を伸ばせば、京ちゃんは俺の意図を正しく受け取って上半身をかがめ、喰らい付くようなキスを浴びせてきた。腰を振るのはそのままで、俺は京ちゃんにキスをされたまま達したのだった。
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