ふたりでパスタを

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 くるくるとパスタをフォークにからめ、口に運んだ。  ベーコンの香ばしさと黒胡椒のピリ辛感が、口のなかにひろがる。 「うーん、おいしい」  わたしが思わず感嘆の声をあげると、向かいの席でキリトさんもにっこりと笑った。 「そうでしょう? すごくよく再現されてますよね?」 「ほんと、これがヴァーチャルだなんて信じられない。本物のカルボナーラとしか思えない」  ここはヴァーチャル(仮想現実)の世界。わたしは、本物そっくりに再現されたパスタの食味に、賞賛の言葉を惜しまなかった。
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