プロローグ

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プロローグ

 愛してる、と、あなたは何度も言ったけれど、私は一度としてそれを信じたことはなかったわ。  同じ台詞を、何人の女に向かって言ったの?  君が初めてだ。君が最初で最後の人。  そうやって耳元で愛を囁くのは何度目?  ――実を言うとね、君で100回目だ。  あら、意外と少ないのね。  むしろ喜ぶべきだろう? 記念すべき100回目の「愛してる」を君のために言ってあげたんだから。  ああ、そうね。じゃあ記念のついでに、私も「愛してる」と言ってあげましょうか。ええ、初めてよ。嘘じゃないわ。あなたに言うのは初めて。  全部合わせると?  ……1000回目。
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