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あとがき
2009年のTEDカンファレンス(アメリカで行われる大規模な著名人達の講演会)で、エミー・マランスという女性が「12組の足」というプレゼンを行いました。
彼女は1歳にして両膝から下を事故で無くしたという経歴を持ちながら、世界的パラリンピアンであり、有名なモデルでもあります。
私はNHKの番組で彼女が語る「12組の足」のプレゼンを観て、その前向きに生きる姿に勇気を貰いました。
本作中「足が無くなっていい事もある。10センチほど長い足に出来るんだ」というセリフがありますが、それはエミー・マランスがこのプレゼンで語っていたセリフです。もっとも、その時は「15センチ」でしたけど。
とても印象的だったのは、一瞬にして身長が15センチ伸びることについて、彼女の友達が「ずるい」と表現したという逸話でした。
下肢が無い事が「可哀想」ではなく「ずるい」になっている。そういう眼で見られるようになったのだと。
主人公の彼氏である「裕也」は事故で両足を失うことによって、生身の足で「足跡」を付ける事が出来なくなりました。
また、それによって折角の発掘現場から取り残され、世紀の大発見という「足跡」を残す夢も絶たれます。
ですが、だからと言って「その存在全て」が、この世の歴史から無かったことにされてしまうとも限りません。
6600万年も前に付けられた何気ない足跡が現代に残るように、或いは絶滅したと思われた恐竜が生き延びることで鳥類へと進化して命を繋いだように。
そうして積み重ねられた足跡の先に、今という姿があるのだと思います。
本作品もお楽しみ頂けたなら、とても幸せなことです。また、次の作品でお目にかかるのを楽しみにしております(><;)
潜
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