花火のような恋が砕ける

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軽い声に、瞼をぎゅっと瞑った。 4人でいたいなら、ずっとそうしていればいい。簡単な答えだ。きっと、私が亜貴を好きになっていなければ、笑顔で頷けた。 一緒に居よう。ずっとそばにいよう。二人の愛を見守って居よう。きっと本気で囁けただろう。 「来年も、再来年も」 「うん?」 「亜貴は、ずっと、朋ちゃんのことが、すき、なのかなあ」 恐れるように吐いた言葉は、きっと亜貴の胸に突き刺さっただろう。 何度訊いても、口から出た途端に後悔する。 今のなし、と言いたいのに、亜貴が丁寧に悩む姿を見たら、もう、声は出なかった。 「亜貴、」 「そうだね」 丁寧なささやきだった。 嘘一つない瞳は私を見つめて、くるしまぎれに笑った。聞いてはいけない言葉だった。きっと私にとっても亜貴にとっても、ずっと不都合な言葉だった。 「たぶん、これからもずっと、好きだと思う」 恐ろしい予感を笑ってあげたかった。 大丈夫だよ。そんなわけない。どこかできっとうっかり人を好きになって「あのとき、総司の彼女がすきだった」と笑って言えるようになるよって、言ってあげたかった。 「梢は?」 「うん?」 「梢は、どうなの。……総司のこと」 でも、無理だ。 亜貴の声で、冷たい心臓から、凍った血液が流れだしてくる。全身が冷たくなったら、泣きたい気持ちのまま、本心が唇から飛び出ていた。
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