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4人がこのカフェのキッチンに集うのも、金曜日くらいのものだ。
いつもバイト終わりの時間が同じときには飲みに行ったりラーメンを食べに行ったりしている。
朋美の存在はすぐに当たり前になって、私たちは4人で存在していることに何の疑問も抱かなくなった。私がそうなるように、会わせたからだ。
初めて会ったときから、朋美は私を大切にしてくれている。一緒にいると心地がよくて、まるで亜貴と総司みたいな人だと思った。
好きな人に、好きな人を会わせたいと思うことに何の疑問も抱いていなかった。
恋の重さを、私はよく理解していなかったのかもしれない。
「こ~ず」
「うん?」
「ともちゃんよりも、俺見てー!」
総司の髪が照明に照らされて、キラキラと輝いている。最近はカットモデルの手伝いをして美容室代を浮かせていると言っていた。
付き合いで亜貴も引っ張られているけれど、総司ほど明るい髪にされなかったから、美容師さんも人を良く見ていると思う。
相変わらず総司に付き合わされた亜貴がちょくちょく髪色を変えてくるのを見るのも密かな楽しみだった。
「そうちゃんも、髪かわいいね」
「えー? マジで? もっと褒めて。まだ入れたてだから、色良い感じでしょ?」
「うん。かわいい。パーマもいいね。くるくるしてていい感じ」
「ありがと。俺とおそろにする?」
「私?」
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