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総司なら似合うだろうが、私の髪ではうまく色が入らなさそうだ。何度か染めてみようかとも思ったけれど、もともと色素の薄い髪の色では、すぐにカラーが落ちてしまうと言われていた。
「そのままのほうがいいですよ。わざわざ染めてその色にする人もいるくらいなので」とは、何度美容師に言われた言葉だろうか。
「ペアルックって感じで」
昔から、総司と私はよく双子や年子のように見られることが多かった。三人で一緒にいても、亜貴はいつも頭一つ分背が高くて、お兄ちゃんと弟妹みたいな構造に見えてしまう。
もしかしたら、今もそうなのかもしれないけれど。
「また双子ですかって聞かれちゃうよ」
「いいじゃん。髪変えてさあ、ここの制服着てたら双子に見えね?」
「見えるかな? もう、そうちゃんのほうがお兄ちゃんに見えちゃうかも」
「あー、こず何センチだっけ?」
「157.6センチ」
「テン、ロクね」
「そう、そこが重要」
「もうちょっとで158センチだもんな」
亜貴はあっという間に180cmを超えてしまったし、総司も173cmだと言っていた。総司自身はもう少し伸びてほしかったらしく、いまだに毎朝牛乳を欠かさないらしい。
「亜貴くんは? 次何色に染めるの?」
「うーん、どうしようかな。あまりこだわってないけど」
「え~、もったいない。読者モデルとかやれそうなのに」
「いやいや、それは朋美ちゃんの方だよ」
「私は自己満だから」
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