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少し先の方で作業しながら会話を続けている二人を、ちらりと見つめてみる。
朋美はスレンダーが服を着て歩いているような人だ。
身長は167センチあると言っていた。正確にはまだ微妙に伸び続けているらしいから、もう少し高いのかもしれない。
ハイヒールを好んでいるから、総司は隣に立たれると焦って私の横に走ってくる。それもまた私たちの鉄板ネタになっていた。
私の横には、だいたい総司がいる。亜貴の横には、朋美がいる。
「てか、ともちゃんとあっくん、微妙に髪色似てるじゃん? ピンク系?」
あいつらこそ、おそろみたい。
あっさり呟かれて、とまりそうな息を必死でつないでいる。
私もそう思った。あまりこだわりがないらしい亜貴も、ころころ変えている朋美も、特に理由はないだろう。
きっと色の種類も、厳密に言うと違うのだと思う。ただ、私の劣等感に付き合わされているだけ。
「あいつらデカいから俺たちより双子っぽいかも?」
「そうだね。お似合いな感じ」
「負けてらんないじゃん」
4人で遊ぶうちに、少しずつ関係性が変わってきた。
じわじわと離れて、対岸の出来事のように眺めている。亜貴が笑って、朋美が茶化して、二人とも、よく似合っている。
大切な二人だ。惹かれ合っていると言われても、何も可笑しくはない。
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