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部屋に招き入れられて、当然のようにシャワーを借りた。いつもと同じく私用のパジャマが置かれている。袖を通してリビングに行けば、亜貴は写真立てにくぎ付けになっていた。
私たちは、4人で居続けられる方法を探している。
「亜貴、シャワーありがとう」
「うん。……じゃあ、俺も入ってくる」
「いってらっしゃい」
「こずえ、先に寝てて良いから」
「わかった」
一人になったワンルームで、ベッドに寝転がった。
ドライヤーしたての頭皮が、熱を持っている。
二人、このベッドで眠るとき、亜貴はいつでも私を抱きしめている。抱き枕みたいだと思う。
エアコンをつけたままで私を抱きしめて眠るから、可笑しさを笑ってしまいたかった。
瞼が落ちてくる。
もう少し、亜貴が来るまで、待っていたい。気持ちだけが舞って、意識が途切れる。
「こず」
熱い指先が、私の額を撫でているような気がした。
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