夏の奇跡の輝きで

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総司が車から一目散に飛び出して、海の方面へと走っていく。きらきらと輝くプラチナの髪が風に揺れて、夏の日差しみたいに眩しい。 「ソージ、はしゃぎすぎじゃん」 「はは、本当だね。お祭り行けなかったし、久々の4人で相当浮かれてるよなあ。朋美ちゃん、巻き込まれないようにね」 車内から見つめて、亜貴と朋美が笑っている。まるで保護者みたいな会話が耳に反響していた。 亜貴と朋美は似ていると思う。 もしもずっと昔から、朋美が私たちと一緒にいたら、朋美の横にいたのは総司じゃなくて、亜貴だったんじゃないかと思うときがある。 「うわ~、その時は、亜貴くんが助けてね」 「はは、了解。いつでも言って」 「頼もしいわ~」 軽い冗談みたいなトーンの二人が、シートベルトを外して、車のドアに触れているのを見た。慌てて同じように体を動かして、車から、地上に飛び降りる。 まるで夏みたいな匂いがする。 アルバイト先とアパートの往復を繰り返していたからか、今さらに夏を感じた気がした。日差しが刺す力に倒れかけて、眩しい視界を必死でやり込めている。 惹かれるままに数歩歩いて、海をじっと見つめている総司の後姿を眺めた。
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