夏の奇跡の輝きで

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綺麗に舗装された白い地面の先に、海へと続く階段がある。ちょうど人二人が隣り合って通れそうなくらいの横幅だ。 興奮した総司が走って降りて行って、見切れてしまいそうなところで立ち止まった。 振り返って、満面の笑みのまま、私を見つめている。 「すっげ! こず! きて!」 「ええ? 私?」 ぶんぶんと手を振られて、無意識に視線が朋美を探そうとしていた。振り返って、朋美と亜貴が荷物片手に何かを話している姿が見える。 見なければよかった。 今まで、ずっと、悪だくみする総司について行っては亜貴を困らせることばかりをしてきた。幼い頃は、ほとんどそうだったかもしれない。 「こず~」 「うん、行く」 はじめて亜貴と朋美が会話する姿を見たとき、どこかで気付いていたのだと思う。亜貴が、朋美に惹かれてしまいそうだと、わかっていたのだと思う。 視界に入った情報を削除するみたいに振り払って、総司のもとへと走った。 にっと顔が豪快に笑っている。総司の横について、「下まで行ってみよ」と言われるままに頷く。 海までは5分くらいだろうか。 白基調のコンクリートは異国情緒が漂っていて、ミステリアスな雰囲気を醸し出している。その場を、小学生の探検みたいに二人で歩いている。
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