夏の奇跡の輝きで

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「そういえば、あっくん黒じゃん」 「うん? ああ、亜貴くんの海パン? たしかにそうだけど、それがどした?」 「いや、あっくんとともちゃんってマジで趣味合うよなあって」 感心したような声だ。 総司はまったく気にしない。自分の彼女が亜貴と似ていたって、当たり前のように口に出して、事実を確認するみたいに笑っている。 亜貴が、朋美を愛していることに気付いたら、総司は何というのだろう。急激に苦しくなって、目をそらした。 「それ言うなら、梢ちゃんとソージの色も割とおソロじゃん」 「お、たしかに~。こず、付き合うか~」 俯いているうちに、総司の手が、髪に触れる。あ、と思っているうちにぐちゃぐちゃに乱されて、視線が上がった。 「そうちゃ、」 「うりうり~!」 「わ、髪っ」 遠慮のない手を止めさせようと必死になって、横から笑い声が漏れているのを聞いた。朋美だ。けらけら笑っていて、助けるつもりはないらしい。 「朋ちゃんっ」 「あ、俺と遊ぶの嫌なんだ~?」 「ええ? そうちゃん、ちょっ!?」 総司が私の手を取って、まっすぐに走り出す。抵抗できずに総司のあとについて走って、その先にブルーが広がっていることに気付いた。 砂浜を走って、二人で海にぶつかる。なおもまっすぐに進もうとする総司に縺れて、体が傾いた。
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