夏の奇跡の輝きで

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いっそ忘れて、さっきみたいに、総司とも朋美とも笑いあえたらいいのに。亜貴が好きな想いひとつだけで全てが狂ってしまう。 「あき」 「ん?」 「行ってきていいよ?」 「……うん?」 亜貴は、きっと、どんなにつらくたって、朋美のそばにいたいはずだと思う。――私がそうだから。 「朋ちゃんのところ、行っておいでよ。ここは私が守っておくから、ね」 総司と朋美が笑いあっている。 浅瀬でビーチボールを飛びまわしているうちに、周囲の人たちも巻き込んでいるようだ。相変わらずどんな人とも仲良くなれる二人だと思う。 肌の焼けた男の人たちに囲まれた朋美が眩しい。 目に毒だ。知らない誰かが朋美に触れかけて、総司が慌てて朋美の横に走っているのが見えた。青春のきらめきみたいなワンシーンを見せつけられている。 「あき」 どれだけ傷ついても、見つめ続けることをやめられないから恋なのだろう。 「梢、攫われたらどうするの」 「ふふ、攫われないよ。それにほら、亜貴のパーカー着てるもん」 「一人にはさせたくない」 「亜貴は優しいなあ。……朋ちゃんの水着姿なんて、滅多に見られないよ」 「そうだけど……」 「あき、」 「うん?」
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