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コーヒー豆を挽き、お湯を沸かしながらレイラとの日々を思い返す。
彼女と結婚するのはとても大変だったんだ。僕の両親も君の親族も、みんな僕らの結婚を反対していたから。それでもそれら全てを振り払って結婚してしまったのは、僕らの愛がそれほどまでに深いからなのだろう。
色んな困難を2人で乗り越えて、やっと彼女の薬指に永遠の愛を誓う指輪をはめたあの瞬間の幸福感を、僕は一生忘れない。あの時も手は冷たかったけれど、幸せそうに微笑んでくれた。
そのあと2人きりで挙げた式も最高だった。永遠の純白を身にまとった彼女はこの世の何よりも美しいと、本当にそう感じたんだ。
誰もが僕らの幸せを否定し、祝福することを拒んだけれど、この町外れの広々とした田舎の中に、ポツンと小さな家を建て、2人きりの密やかで穏やかな生活がある。
私たちにはそれが合ってる、十分幸せだって、いつかの彼女もそう言ってくれたっけ。
さぁ、コーヒーが入った。そろそろあの可愛いねぼすけな僕のお姫様を呼んでこないと。
テーブルにコーヒーのカップを2つ置き、僕は寝室へと向かった。
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