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朝、目が覚めて隣に眠る妻を見る。彼女はまだ気持ちよさそうに眠っていた。
「おはよう、レイラ」
彼女の陶器のように艶やかで真っ白な頬にそっとキスをする。
その頬にそっと手を添えて、長いまつ毛が伸びるまぶた、ほんのり桜色に色づいた柔らかな唇にもキスを落とした。それから顎、うなじ、首筋……と唇を這わせて、チュ、という音と共にそっと離す。
これ以上は彼女が起きてしまいそうだ。彼女の穏やかな眠りを邪魔したくはないし、何よりもこの愛らしい寝顔はいつまでも見ていられる。
胸の上で軽く組まれた両手を包み込むように握ると、その手はひんやりと冷たかった。
これはいけない。この冷え性な僕のお姫様のために、温かい飲み物でも用意しておこう。
「先に起きて温かいコーヒーを入れておくよ」
最後に艶のある長い黒い髪を優しく撫でて、僕はベッドから抜け出した。
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