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「無音のアッシュ」の裏話、続きます。
物語の舞台は、フランスのストラスブールという都市をイメージしました。
ドイツとの国境近くにある都市で、旧市街がユネスコの世界文化遺産に登録されています。
「鉄の男広場」は、ストラスブールにある広場です。
昔ながらの街並みの中に近未来的な路面電車が在る写真を見たときに、この様子を小説にしたいと思いました。できなかったけど。
>ジャンは何気なく、平積みされた本の背を見た。
全て、原書だ。
マン。ワイルド。メリメ。セルバンテス。ヤンソン。ミシマ。タニザキ。
トーマス・マン「ヴェニスに死す」
オスカー・ワイルド「幸福な王子」
プロスペル・メリメ「カルメン」
ミゲル・デ・セルバンテス「ドン・キホーテ」
トーベ・ヤンソン「小さなトロールと大きな洪水」
三島由紀夫「金閣寺」
谷崎潤一郎「春琴抄」
……こんなところでしょうか。
作品がヤバかったり、作者自身がヤバかったり、作者が大変な人生を送っていたり、そんな作品を、彼は読んでいたみたいです。
原文で読めるなんて、どんだけ頭が良いんだよ……なんて、他人事のように思ってしまいました。勢いで書いては駄目ですね。
色んな意味でヤバい作品を読む彼に対し、ジャンから見た彼自身は、「油を挿されたブリキのように」や「ミルンの熊」といった、児童文学じみた形容です。「オズの魔法使い」や「くまのプーさん」ね。
カヌレは、私がそのとき食べたかったから。「コーヒーをつくり」は、海外文学的な、村上春樹を真似をして。
裏話、続きます。
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