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プロローグ
私は彼を愛していると思う。
なぜそう「思う」なのか...
それは今まで恋愛経験が無いし恋愛感情もどういうモノなのか良く分からないからだ。
彼との出会いは最悪だった。
私のタイプじゃなかったしちゃんとケジメを付けて二度と会う事もないと思いお別れしたつもりだった。
でもいつからか彼の事が思い出されてジワジワと私の心を蝕んでいった。
そして会いたいという思いで胸が一杯になってしまい、これが恋する情なのかと思った。
誰にも相談出来ず数カ月ウジウジと悩んだ末に、会って付き合いたい事を告白するしかないと思うようにまでなってしまった。
私と付き合えば美味しい食事も食べれるし何ならお小遣いだって上げるし、もし望まれれば男女の交わりだってかまわないと思った。
そんな私の思考は本で得た知識を積み上げたイメージの中で生きているからどうしても極端な発想になり曖昧で心地よいリアルさを知らなかった。
でも仕事は超リアルなデータ解析の元で現在と未来のこの国の為に必死で働いている。
省庁の仕事は残業が多くあまり自分の時間を持てない。
彼と付き合う事になり ぎこちないデートを繰り返すうちに彼の存在が私の中で必要以上に満たされてしまった。
ほんとうに彼は大人の男なのだ。
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