10.アレもコレも布石

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 ベッドにガバリと身体を起こした私を、宗親(むねちか)さんがどこか温かい(生温(なまぬる)い?)眼差しで見つめてくる。 「母を送り出して戻ってきてみたら。――まさか本当に眠っているとは思いませんでした」  可愛らしいイビキもかいてましたよとクスクス笑いながら、 「これでしたら母に顔を見られても問題なかったですね。――あ、でもさすがに鼻がピーピー鳴ってるのは無防備すぎてダメだったかな」  揶揄(からか)うように付け加えられた私は、真っ赤になりながらギュッと布団を握りしめる。  イビキとか……鼻がピーピーとか絶対嘘だ!  嘘に決まってる!  っていうか嘘だと信じなきゃやってらんないよぅ……。 「同居を始めるにあたって、僕のベッドじゃ眠れないかもしれないし、春凪(はな)用のをもうひとつ別室に用意すべきかな?とか思っていましたが……。で安心しました」  意地悪くニヤリと笑われた私は、瞳を見開いた。  今、この人、さらりと恐ろしいことを言いませんでしたか?  確かにこのベッドはキングサイズで……大人がふたり並んで眠ることぐらいなんてことない。  正直な話、寝心地も最高でした!  ……そう思う。  思うけれどっ!
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