11.だったら試してみればいい

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「ななななっ、何するんですかっ」  唇を軽く拭いながら睨みつけたら、「その反応、結構傷付くんですけど」と苦笑されて。 「わっ、私っ、恋人以外とはこんなことしない主義なんです!」  傷付くも何も、いきなり唇を奪われた私の身にもなってください。  涙目で宗親(むねちか)さんを睨んだら、「でしたら何の問題もないんじゃないですか?」とか。  えっと……この人、もしかして宇宙人か何かですか?  言葉が通じなさすぎて口をパクパクさせる私に、「だって僕と春凪(はな)は婚約者でしょう?」って……。〝役〟を付け忘れたさっきと言い、今と言い、「〝偽装の〟が抜けてます!」と言いたくなったのも仕方ないよね? 「世の中にはね、嘘から出た(まこと)という言葉もあるんですよ、春凪(はな)」  意味深に言われて、「どういう……」って言い募ろうとしたら、「さて、じゃあコンビニに行きましょうか」と話をすげ替えられた。
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