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「ごめ、なさっ。使っちゃダメと思わな、くてっ」
気分屋の私は、基本的に色んな銘柄のシャンプーをあれこれ試してみたい派。
いま自宅では椿オイル配合の〝自宅でもサロンの仕上がり〟をキャッチコピーにしたシャンプーとコンディショナーの小さめボトルを愛用している。
対して宗親さんのお家にあったのは、それとは別の〝うっとり甘く恋が咲く〟とCMで謳われていたパール成分配合のもので。
考えてみたら男性が選ぶには乙女チック過ぎる気がして。今更だけど、あれはもしかして妹さん用だったのかも?と思い至った。
私も好きな銘柄のシャンプーだったし、何よりコンビニでは(最初から織田家のをお借りする気満々で)シャンプーやコンディショナーやボディソープまでは買わなかったから。
トランクスとか買っちゃったし、と遠慮したのだけれど、遠慮すべき方向性を間違えたのかも知れない。
(よく考えたらちゃんと使ってもいいか確認してからにすべきだったよね)
お風呂に入るとき、中のものは自由に使っていいって言われたけれど、「自由」にも実は制限があったんだ、きっと。
髪の毛を握られたままなことに不安を募らせながら、もう一度「ごめんなさい……」と謝ったら、
「別に咎めているわけじゃありませんよ? ただ――」
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